10:ガンダムSEED2(Girl's Talk)

 
 ラクスの部屋に同年代の女性3人が集まると、午後のティータイムが始まる。
 そしてアストレイの3人娘ほどではないが、このくらいの女の子達が集まれば、自然と会
 話はそちらへと傾いていくのも仕方のないことだ。


「カガリさんはアスランがお好きなのですね。」
「!!?」
 単刀直入というか、ぶっちゃけたラクスの言葉にカガリはぶっと紅茶を噴き出してしまっ
 た。
「な、なん…!?」
 顔を真っ赤にして何のことだと誤魔化そうとするけれど、分かり易いその態度では誰も信
 じない。
「バレバレよー で、どうなの?」
 ミリアリアもここぞとばかりにテーブルに身を乗り出してくる。
 2人の視線を受けて、カガリは思いっきりうろたえた。

「や、あの、好きとかそーゆーんじゃなくて…ッ 放っておけないってゆーか! つい目で
 追っちゃうとか!」
「しっかり追ってるじゃない。」
「う…っ」
 ミリアリアから即座にツッコミを入れられて、唸りながらも黙り込む。
「…あの人、顔は確かに良いのよね。」
 仮にもこの目の前の美少女の元婚約者。
 キラから聞いた話では、お母さんも相当の美人で彼はその母親に似たんだとか。
「でも、そこを好きになったんじゃないんでしょう?」
 カガリはそういうミーハーな女子とは違う。
 顔は真っ赤にしたままで、カガリはついに観念したように頷いた。
「…危なっかしいし、バカだし…… でも支えてくれたりするし…」
 消え入りそうな声で答える彼女らしくない態度に、ミリアリアは可愛いと笑う。


「では、ミリアリアさんはディアッカ様のことをどう思ってらっしゃるのですか?」
 居た堪れなくて小さくなってしまったカガリを可哀想に思ったのか、ラクスは矛先を別の
 方に向けた。
 向けられた方のミリアリアは一瞬言葉を飲み込む。

 どうして知っているのかと問い返そうとして、全く隠そうとしないアイツを思い出す。
 相手への好意を隠さないのは 目の前のこの少女も同じなのだけれど。

「どうって… 嫌いじゃない、かな。たまにウザイけど。」
「あらあら」
 素直なようでちょっと曲がった回答にもラクスは慈愛に満ちた笑みを向ける。
 絶対全部見透かされているんだろうけれど、ミリアリアはそれ以上言う気はなかった。


 ―――2人が答えて、残りまだ言っていないのは1人だけれど。
「ラクスさんは… 聞かなくても十分ね。」
「ありがとうございます。」
 表情一つ変えずに答えられてしまって、1番強いのはやっぱりこの人だとミリアリアは瞬
 時に思った。








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男の子の話と対で女の子の話。
はい、ラクス様は最強だと思います。


    
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