花を愛でる ーその後ー
      ※ 50000企画「明けない夜、覚めない夢」(=内緒の恋人)設定です。
      ※ こちらも慎様の素敵イラスト付きですが、R15ですので注意!!









 ※まずは私の駄文で隠しつつ、お色気イラストは下部です。












 無造作に放られて床に落ちる花飾り

 するりと首から解ける首飾り


 夕鈴を片腕で抱いて歩きながら、彼は器用に夕鈴を飾る物を外していく。



 そんなに乱雑に扱うと壊れてしまうとか、これを侍女さん達に見られたらどうなるだろう
 とか。

 浮かぶ言葉はたくさんあれど、今はそれどころじゃない。
 足跡のように物を落としていきながら、夕鈴を抱く彼の人が向かう場所は奥の部屋。



「へ、陛下…ッ」
 戸惑う夕鈴などお構いなし。

 頭上の簪が外れると、長い栗髪がふわりと落ちる。



「ま、待って…!!」
「何故?」
 そこで不思議そうに聞き返さないで欲しい。
「い、今から 何するつもりですか…!?」

「―――他に何が?」
 さも当然のようにさらっと応えられた。
 そうして見上げてくるのは熱を帯びた鋭い紅色。
「ッ!」
 途端に全身がカッと熱くなる。
 同時にパサリと音を立て、陛下の外套が床へと滑り落ちた。


「二人きりが良いと誘ったのは君だ。」
 寝台を覆う薄い布の帳を押し上げて、二人の身体は中に滑り込む。
「ち、ちが…!!」
 そんなつもりで言ったわけじゃないと首を振って抵抗するけれど。
 スイッチが入った狼はそんな言葉を聞きはしない。

 褥の上に下ろされながら、しゅるりと絹が擦れる音と共に身体を締め付けるものが緩む。
 薄い衣装の下はもう何も覆うものがない。
「っや!」
 羞恥心が一気に込み上げ、咄嗟に追いかけてくる手を振り払って奥へと逃げ込んだ。

 今夜の衣装は肩が剥き出しで帯を解かれただけで落ちてしまう。
 慌てて胸元を押さえて隠すけれど、気を抜けばすぐに全部落ちてしまいそうだった。


「―――兎が狼から逃げ切れると思うのか?」
 自らの衣装の胸元を寛げながら、壮絶な色気を放つ狼が嗤う。
「や、… 陛下、待って下さ……っ」

 逃げ切れるなんて思ってない。
 でも、まだ何の心の準備もできてないのに。
 性急な陛下について行けない。

「そのように震える声も、淡く色付くその肌も、君から立ちのぼるその甘い香りも、全て
 が私を誘うのに、私がそれを黙って見ていられると思うか?」


慎様よりいただきました☆


「―――その泣き顔すらも私を煽るだけなのに?」



「へい か……」
 近づく熱を前にもう動けない。



 ―――やはり、兎は狼から逃げられなかった。




2013.4.16. UP



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610000リクエストを書き上げてUPした後…
何とこんなイラストが慎様から送られてきまして!
その場で悶えてしまったのはいうまでもありません。

題して「抵抗気味の兎さん」(慎様の言葉そのままw)
特に腰のラインが色っぽくていけません。撫でたくなります(変態か)

調子に乗ってSSSもくっつけてみました。
しかし、これ以上は秘密部屋に行ってしまうので割愛☆
続きは脳内妄想でお楽しみくださいませ〜
 


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