【小説】―ONE 黎翔編―




友達とハシャぐ君を、僕は遠い存在に感じて戸惑っている。
君という確かな存在が儚く思えてならない。

僕の知らない君の今まで過ごしてきた過去の時
埋めることの出来ない時の空白。

共有することの出来ない過去が、僕らを引き裂く
今の僕と君との距離。

出会って間もない僕達の絆は
君の友達との絆と違って
儚いカゲロウのようで、とても不確かだ。

過去の君と思い出を共有できない寂しさ・・・・
君が遠くへ行ったような気がしてならないよ。・・・・夕鈴。

僕の知らない君がここに居る。
時を遡ることが出来るのなら
この溝を埋める思い出が作れるのに。


時を司る神よ、お願いだ。
どうか夕鈴を連れて行かないで・・・・

風に攫われたように

ーーーーー過去の時に、思い出に。

ーーーーー僕から君を、引き離さないで。

僕が届かない時の彼方へと連れて行かないでくれ!!!


おぼろげに映る景色の中で、
楽しそうに過ごす君を
僕は遠くから見ていた。

僕らの未来はまだ見えない
スタートしたばかりの君と僕
いったい僕達はどこへ行くのだろうか?






僕の存在を君は忘れている気がして
いたずらに、君を後ろから抱き締めた。

華奢で柔らかな身体は、簡単に僕に引き寄せられた。

確かで温かな君のぬくもり。
頬を染めて身を捩り、君は僕から逃げ出そうとするけれど…
ようやく捕まえた君を、逃がすつもりはないよ。


僕の存在を思い出してくれた君のことが、嬉しくてしかたがないんだ。
小犬のように、じゃれついて僕の存在をアピールする。









ーーーー気がつけば君は、こんなにも
僕にとって、かけがえの無い存在。

ーーーー僕のなによりも大事な貴女(ひと)
僕の心をこんなにも占めている。

君だけが、その存在で
前を向く力を 僕にそっとくれる

さり気ない優しさは、君にとってはいつものこと。
僕にとっては、特別なこと。

なにげなさすぎて、きっと君は気付いてないんだね。

いつもそんなふうに、僕の力になってくれる
君のことが好きだよ。


けして変わらぬ気持ちで
嘘の無いこの心で ただ伝えたい

『ありがとう』と君に。 

出逢えたのは、偶然いう奇跡。
君と出会えたこの奇跡を大切にしたい。


君にいつか言えるかな? 偽りの無い僕の気持ちを。

たった一言の勇気

『君が好きだ』と君に伝えたいんだ
 





 

この白陽国という王国
その王宮の最奥ー後宮ーという
君にとっては、非日常の世界

侍女達にかしずかれ
煌びやかな毎日を送る《狼陛下の唯一の妃》という立場の君

着飾り、かしずかれた君に
あたりまえに逢える毎日

僕は君の夫として、
今日も明日も明後日も君に逢える

偶然という奇跡がつくりあげた毎日。

ーーーー偽りの夫婦を演じている僕ら。
本当は、恋人同士よりも清い関係

そんな毎日を日々おくっているけど、
偽りの僕たちの関係にいつかはピリオドをうちたい。

本物になりたい。
『君が、好きだ』と言ったら、この関係はどう変わるのだろうか?

僕の夢は、現実にできるのかな?
それとも、夢は夢のままなのだろうか?

ーーーーーこの腕の中に抱きしめたぬくもりを、
ーーーーー幸せになれる気持ちをくれる君を
僕はもう、手離すことなんてできないよ。

夢の彼方までも、君と一緒に居たいと願う僕がいる。

ーーーーずっと君が僕の隣に居る夢、
《朝も昼も夜も、君と共に過ごす夢を見る》



運命なんて言葉はまだ僕らは知らない。

君へと駆ける僕の気持ちを、君は知らない。

君の気持ちが、どこを向いているのかなんて、僕は知らない。

だから、僕らの未来は、誰も知らない。






最近、君のことが気になって仕方ないんだ。

気づけば、僕の瞳が君を捜している。

ーーーー君を繋ぎ止めたい。

・・・・君のことばかり考えている僕が居る。

こんなに眩しくて・・・・ 

どんどん綺麗になっていく君に 僕は少し戸惑っている。

そうか、これが恋するってことなんだ。

気付いた時には、すでに君へと恋に落ちていた。

君の存在が眩い僕の光だったんだ。







ーーーー君だけなんだ

君だけが、僕が信じられる唯一の貴女(ひと)

かたちの無い僕との約束をずっと守り続けてくれる君

素直で、いじらしいほどかわいい君を

僕は、ずっと信じている

君の言葉は、僕の宝物

僕に、飾らない嘘偽りの無い言葉をいつもくれる君

君の言葉は、信じられる

信じるというこを教えてくれた君との思い出

危険な夜も、不安な夜も

君は、揺らがない勇気を僕にくれた。

たとえ遠く 君とはぐれた夜も

何も飾らぬ気持ちで

今より強い心で

僕は、君を信じ続けたい






君と

ーーーー同じものを見て

ーーーー同じ喜びを分かち合い

ーーーー同じ涙を流していたい

君だけが、僕の愛する唯一の貴女(ひと)








僕らに降り注ぐ
幾千もの想ひの花びら・・・・

幾つも・・・・幾つも・・・

純粋で優しい君の想い
こんなにも、暖かな君の無償の愛

愛しくて湧き上がる君への想い
こんなにも僕は君への愛で溢れてる


美しい幾千もの想ひの花びら達が
澄んだ綺麗な青空に
・・・・舞い上がり、・・・・・舞い踊る

幾つも・・・・幾つも・・・
降り注いでいく

いつまでも、
降り止むことの無い 暖かな想い 美しい光

想ひの花びらが 僕らに降り注ぐ









いつの間に、君は僕の世界に不可欠な存在となっていたのだろうか?

気づけば君は、僕にとって、かけがえの無い存在。
ーーーー僕のなによりも大事な貴女(ひと)

僕の心をこんなにも占めている。

君だけが、その存在で
前を向く力を 僕にそっとくれる

いつもそんなふうに、僕の力になってくれる
君のことが好きなんだ。

手を伸ばせば、届く距離。
だけど いつまでも変わらない君との距離がもどかしい。

壊したくない君との関係
だけど 変わりたいと願う心

けして変わらぬ気持ちで
嘘の無いこの心で ただ伝えたい

『愛している』と君に。 

出逢えたのは、偶然いう奇跡。 
奇跡 を運命の出会いにしたい。

君にいつか言いたい。
嘘・偽りの無い僕の気持ちを。


たった一つの僕の願い
『生涯、僕の傍に居て欲しい。』と伝えよう。



 
ーーーー僕のなによりも大事な貴女(ひと)へ 

        you are the only one 

                     ―ONE・完― 




2013.4.16. UP



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こちらは小説になりますv
本当は6つに分かれてたんですけど、一纏めにしてしまいました。
実はこの話の対になる夕鈴編があるとのこと。
気になる方はリンクからさくらぱん様のお宅へ…!

そしてまさか元歌がポ○モンだったなんて…!
 


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