私が下界に落されてからどれくらい長い時が過ぎただろう・・・
そして今、私は私を創り出した者と対峙している。
私は彼に聞きたい事があった。
私の運命を狂わせたこの翼のワケを―――・・・




神よ。
 貴方は何故私をこのような姿にしたのか。






―――そなたは誰の物にもなってはならぬからだ


静かな声で彼はそう言った。


―――最も美しく気高い者、そなたはまさに我の最高傑作

―――誰の物にもなってはならぬ

―――誰にも心を許してはならぬ


それは私に孤独に生きろと言っているのかと問うた。

赤き翼の天使を誰も愛しはしない。

それも全て 貴方の思惑通りだったのか。


―――誰も愛さぬ代わり 我がそなたを愛そう

―――誰もそなたを見ぬ代わり 我がそなたをずっと見ていよう


だが私は孤独だった。

貴方は私に愛を見せてはくれなかったではないか。

表に出さぬ愛など誰が信じられようか。


―――そなたは私だけの物だ


ならば何故。


―――他の誰も見てはならぬ


ならば何故。


―――赤き翼は我が愛したしるし

―――その翼がある限り そなたは我の物


ならば何故 貴方は私を愛してはくれないのか。


―――我はそなたを愛している

―――そなたがどこに居ようとも 我はそなたを見ていた


貴方の言葉は信じない。

貴方の言葉は行いと矛盾している。

貴方の愛は異常だ、歪んでいる。


―――赤き翼は我がそなたを愛した証拠

―――他の誰からも愛されぬよう

―――そなたが他の誰も愛さぬよう


繰り返される言葉、それが神から与えられた答え。

私の運命は神からの一方的な愛の代償。





それは とても歪んだ愛

愛するが故にその子を愛されぬ者とした

孤独を背負わされた哀れな天使

その歪んだ愛は 天使の時さえ狂わせた―――・・・



<コメント>
長いですが 正式タイトル。
そしてタイトルに反比例して 中身は短い(笑)
ってか怖いです 神サマ。一歩間違えればストーカーとかなっちゃいます。
でもビジュアル的には金髪長髪の超美形だったりして。
いつも平静で絶対慌てたりしそうに無い感じ。
フフッとか悪どく笑った日には腰抜かしそう・・・(怖くて)
―――神は誰も愛さぬよう、彼女に赤い翼を与えました。
けれど彼女は神の考えとは違う道へ進み始めます。それが次の物語・・・



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